リンパ浮腫でお困りの皆さんへ
リンパ浮腫でお困りの皆さんへ
リンパ浮腫とは
リンパ浮腫とは、リンパ液の流れが滞り、組織間にたんぱく質や
水分が過剰に滞留した状態をいいます。
主に手術による「リンパ節の除去」や「放射線治療」「がんのリンパ節転移」
によって、リンパ液の流れが滞ることで浮腫(むくみ)が起こります。
リンパ浮腫は発症すると完全に治すことは難しいですが、上手な付き合い方を
することで悪化を防いだり、浮腫を軽減することができます。
こんな症状でお困りの方・・・
受診方法
完全予約制です。
- まずは、地域連携室(直通):042-338-8319へご連絡下さい。
お電話で状況を伺います。 - 「リンパ浮腫外来専用 紹介状・診療情報提供書」をダウンロードしていただき、
主治医の先生に記入を依頼しご準備ください。 - ②の紹介状が準備出来ましたら、ご一報ください。
その後、事前にFAX:042-338-8118 まで送信してください。
内容を確認した後、こちらから予約の日時の調整のご連絡をいたします。
まず、総合診療科の外来(保険診療)を一度受診していただき状況を診察いたします。
「リンパケア外来」(自費診療)での施術は次回からとなります。
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受診当日にFAXして頂いた紹介状の原本をご持参ください。
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外来日:
(総合診療科)
月・火・金・土
(リンパケア外来)
水・金
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費用
①セルフケア指導料(税込) | |
初回(診療・カウンセリング・セルフケア) | ・・・ ¥4,400 |
再来指導料 | ・・・ ¥1,100 |
②治療(税込) | |
ドレナージ(上肢)60分ほど | ・・・ ¥6,600 |
ドレナージ(下肢)90分ほど | ・・・ ¥9,900 |
※必要に応じてバンテージ(弾性包帯を購入していただきます。発症原因により一部助成があります)
※上肢、下肢など部位により、1万円前後の物品料がかかります。
治療等に係わる主なリスク、副作用等に関する事項
当リンパ浮腫外来でのリンパ浮腫治療は、治療前に問診にて適応・禁忌を必ず確認してから治療を行うためにリスク等はほとんどないといえます。
ただし皮膚が弱い方ですと圧迫療法の弾性着衣装着時、または弾性包帯使用時に皮膚にかぶれ等出る場合がありますので、その際は圧迫を一旦中止して病院までご連絡ください。弾性着衣・弾性包帯を適切に使用していない場合、生地の食い込み等による皮膚の裂傷やリンパ浮腫の増悪を生じる可能性がありますので、当外来での説明・指導に基づいて行ってください。
※医療リンパドレナージの禁忌
以下の疾患が、症状がみられるときにはドレナージ(マッサージ)の施術は禁忌(治療が行えない)となります。急性炎症の場合には、症状が消失したら治療を再開できます。
原則的な禁忌
- 感染症による急性炎症(蜂窩織炎―ほうかしきえん―など)
- 心性浮腫、心不全
- 下肢の急性静脈疾患(深部静脈血栓症、静脈炎)
相対的な禁忌
- 悪性腫瘍がリンパ管を直接圧迫している場合
※圧迫療法の禁忌について
以下の疾患が、症状がみられるときには圧迫は禁忌(治療が行えない)となります。急性炎症の場合には、症状が消失したら治療を再開できます。
原則的な禁忌
- 感染症による急性炎症(蜂窩織炎―ほうかしきえん―など)
- 心性浮腫、心不全
- 末梢の閉塞性動脈硬化症
相対的な禁忌
- 高血圧、狭心症、不整脈、強皮症、関節リウマチ、複合性局所疼痛症候群、糖尿病、感覚障害、乳幼児など
●スキンケア
治療開始前に治療がすぐに始めることができるかどうか判断するために、皮膚の状態を把握(スキンチェック)します。また日常生活でも皮膚を清潔に保ち、保湿を心掛けることがポイントになります。リンパ浮腫でむくんだ部分は、蜂窩織炎と呼ばれる炎症を起こしやすく、いったん炎症が見られれば、浮腫の急な悪化が見られます。炎症は細菌感染によるものですが、どこから細菌が入るか分からない患者さまもあります。皮膚が傷んで細菌が侵入することもあり、スキンケアをして感染しにくくすることが大切です。
●医療リンパドレナージ
細胞のすき間に過剰に滞っている組織液やリンパ液を専門的なマッサージ技術により、健康なリンパ管に誘導してむくみを改善させることができます。
リンパ浮腫の治療としての「医療リンパドレナージ」は基本的に医師、看護師、理学療法士、作業療法士、マッサージ師などの国家資格を持っている医療従事者が、専門的に学んで身につけている方法です。
●圧迫療法
医療リンパドレナージにより改善された皮膚のやわらかく良好な状態を維持し、さらに組織液・リンパ液の排液を促すために行います。むくみの状態によって、弾性包帯を巻いて圧迫をする方法と、適切な弾性着衣(弾性スリーブ・弾性ストッキングなど)を着用する方法を上手に組み合わせて行います。
患者さまの全身状態や手や足の状態を確認して弾性着衣を選択しています。さらにサンプルの着用をしていただき、実際に着脱できることを確認してから購入していただいています。
●排液効果を高める圧迫下での運動療法
弾性包帯・弾性着衣により患肢を圧迫した状態で、筋ポンプ作用を活かして効果的に組織液やリンパ液の流れを促す運動を行います。リンパ管は主に皮下組織にありますので、患肢を圧迫して弾性着衣と筋肉間で筋肉を挟み込むことでリンパ管を刺激して、リンパ液を運搬しやすくできます。運動は散歩や簡単な筋肉運動で結構です。
※『複合的理学療法』は欧州において確立され、1995年より国際リンパ学会において標準治療として認められています。わが国では、1990年代後半より徐々に普及し初め、全国的に広がりをみせています。